『フランスの庭』と呼ばれるほど美しいところとして有名なロワール地方。「シャトー・ガイヤー」はトゥールのすぐ近くで、アンボワーヌ城とブロワ城というロワールでも有名な美しい2つのお城の中間に位置しています。
オーナーのヴァンサン・ジロー氏は1978年にこの土地を購入。購入直後から除草剤や化学肥料などを一切使わない自然農法を行なっていましたが、1989年からは農業技師でもある奥様と相談して、「バイオダイナミクス農法(※)」を導入することを決意しました。
シャトー・ガイヤーでは“自然に優しく”をモットーに、手間暇をかけてぶどうを育てています。ヴァンサン氏は「最近では、長年バイオダイナミクス農法を続けてきたおかげで病気などの発生が少なくなってきました。畑を取り巻く自然環境が安定してきたようです」とうれしそうに語ってくれました。
(※)バイオダイナミクス農法は化学肥料や農薬を一切使わない無農薬有機栽培に加えて、天体の位置に応じて栽培のプロセスを進めていく農法。あの「ロマネ・コンティ」や「クレ・ド・セラン」も採用している。
原産地呼称 | AOC Touraine Mesland (AOC トゥーレーヌ・メラン) AOC Crémant de Loire (AOC クレマン・ド・ロワール) ※同じ自然農法グループのワイナリーが造るビオロジックワインの原産地呼称。 AOC Clairette de Die (AOC クレレット・ド・ディ) VDP des Bouches du Rhône (VDP デ・ブッシュ・デュ・ローヌ) |
所有者 | Vincent GIRAULT (ヴァンサン・ジロー) |
総畑面積 | 28ha |
歴史 | 11世紀にマルティム修道院の修道僧が、メラン村で葡萄栽培をしていた。メラン村は、トゥーレーヌ地区 の中でも独特のミクロ・クリマ(微妙な気候の変化)を備えており、古くから特徴のあるワインを生み出し ているところである。 1978年にオーナーのヴァンサン・ジロー氏がこの土地を購入。購入直後からヴァンサン氏は、除草剤や 化学肥料など、化学物質を一切使わない農業を行なっており、1989年から「ビオディナミ(バイオダイナ ミクス)」を取り入れた本物の「自然派」栽培を実践している。 |
地理 | フランスの中央部から大西洋まで、約1,000kmを流れるロワール河。その流域は古くから「フランスの庭」 と呼ばれ、美しい城とバラエティーに富んだワインを産することで有名である。 又、その流域には河口から、ナント、アンジェ、トゥールといった 美しい街が点在している。シャトー・ガ イヤーはトゥールのすぐ近くで、アンボワーヌ城とブロワ城というロワールでも有名な美しい2つのお城の 中間に位置している。 |
気候 | 夏涼しく冬温和でやや雨の多い海洋性気候と、夏暑く冬の寒さが厳しい乾燥した大陸性気候の両方から 影響を受ける。 |
土壌 | 「AOC トゥーレーヌ・メラン」は火打石が混ざる粘土質土壌、「AOC クレマン・ドゥ・ロワール」は火打石が 多く混ざる粘土石灰質土壌。「AOC クレレット・ドゥ・ディ」(ローヌ)は粘土石灰質土壌。「VDP デ・ブッシ ュ・デュ・ローヌ」(プロヴァンス)は砂混じりの粘土石灰質土壌。 |
栽培 | 「ビオディナミ」農法を取り入れた、自然を尊重する栽培を実践。テロワール(土壌)を尊重した、“自然 環境”に優しい葡萄栽培を基本とし、除草剤は一切使用しない。これは地中の微生物を殺し、土壌の生 態系を狂わせ、微生物が宿らない「死んだ土」になってしまうからだという。「死んだ土」は益虫が育ちに くく、赤グモなどの害虫や病気の発生の危険率が高まってしまう。又畑に自生する天然酵母は敏感で、 除草剤を撒くと酵母が激減するため、自然な醗酵がスムーズに進まなくなるなどの弊害をもたらす。 「ビオディナミ」農法は、地中の微生物に優しい環境の中で、葡萄の木の生育、特に光合成を活発にさ せながら葡萄を育てる農法である。具体的には、次のように手間のかかる農作業で営まれている。 @病気などの対策には、「ビオディナミ」で認められる次の物質を撒布して対処。 ※イラクサなどの薬草を「ディナミゼ」と呼ぶ独自の方法で煎じた漢方薬 ※ボルドー液(硫酸銅+生石灰+水の混合液) A雑草対策として、鍬で耕すという昔ながらの地道な手作業を守りつづける。 B牛糞から作った堆肥を使用。 シャトー・ガイヤーではこのように、「豊かな自然が生態系の強いバランスを生む」という考えのもと、葡 萄畑の周囲にある雑木林などの自然を保ちながら、広い視野で葡萄畑を管理している。ヴァンサン氏 は「最近では、長年行なってきたビオディナミ農法によって病気などの発生が少なくなってきた。畑を取 り巻く自然環境が安定してきたようだ」と語ってくれた。 |
収穫 | 選果しながら手摘みで収穫 |
品種構成 | Chenin Blanc (シュナン・ブラン)、Chardonnay (シャルドネ)、Muscat Petit Grain (ミュスカ・プティ・グレン)、 Clairette (クレレット)、Gamay (ガメイ)、Cabernet Franc (カベルネ・フラン)、Côt (コット)、Merlot (メルロー) |
平均樹齢 | 20年 |
剪定方法 | ギュイヨ・サンプル方式 |
評価・プレス | ★「ドメーヌ・アシャール/クレレット・ドゥ・ディ」が2002年6月に開催された「第6回アンフォールビオロジ ックワインコンクール」にて銀メダル受賞。 ★「クラスマン2003年」にて「“ビオディナミ”のワインは価格が高騰する傾向にあるが、ヴァンサン・ジロ ー氏のワインは例外的で“ベスト・バイ”」との高い評価を得る。 ★「キュイジーヌ・エ・ヴァン・ド・フランス(2002年10月号)」にて、次のコメントの通り高評。 (赤)ロワールの「テロワール」の特徴を備える注目のワイン! (白)熟した果実そしてコクがある味わい。強く長い余韻。4〜5年の熟成向き。 ★「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス(2002年6月号)」にて、高得点の評価を得る。 (赤)バニラっぽい香り。熟したぶどうの風味とボディがとても良い。 (白)上品な黄金色、爽やかな印象のアロマや蜂蜜の香り。すっきりした辛口。約5年は熟成する構成。 |